合唱祭を終えまして。
※今回ドールの話は全く出てきません。完全に私の学校の話です。
少し日が経ってしまいましたが、高校生活最後、そしてきっと人生でも最後の合唱祭を終えました。
昨年の秋に曲を決め、「諦めない心」をスローガンにして練習に取り組み始めました。しかし練習とは言っても、簡単に音取りをするだけでしたし、なによりやる気のない人がたくさんいました。
修学旅行から帰ってきて、2学期もそろそろ終わりかけな時期に全パートで合わせてみましたが本当に下手くそで、後輩に「野球の応援みたいだ」とまで言われてしまいました。
私は中学のころ2年と3年で合唱祭で金賞を獲っていて、当時の合唱と今のクラスのあまりにも下手な合唱を比較して焦って苛ついて、指揮者に当たってしまったこともありました。本当に申し訳なかったと思っています。
2学期の最後になっても「あ、うまいな」って思える瞬間が一度もなく、冬休みに入ればきっと皆練習しないしこのままでは賞なんかとれない、なんて思ってました。このときすでに「諦めない心」をスローガンにしていたことすら忘れていました。
しかし、年が明けて急にうまくいき始めました。高校2年のクラスでプレ合唱祭をしたとき、体育館で歌ったので綺麗に響いたというのもあるのかもしれませんが、今まで一番大きな課題だと思っていたテノールのソロがとても綺麗になっていて、感動しました。
その頃にはやる気のない人もほとんどおらず、本番1ヶ月前にしてようやく本気になれました。
他のクラスはどれも長くて難しい、深い歌詞の曲を選んでいました。しかし私たちは長くもなく、また聞き手が情景を想像しやすい歌詞の曲を選びました。私達が選んだ曲で他のクラスより勝っているものは「思いの伝わりやすさ」だったと思います。
最後の追い込みのときには、そこに注意して伝えたい言葉をしっかり歌えるように練習しました。
当日、他のクラスの上手さに圧倒されました。クラスメイトはどう思ったのかわかりませんが歌い終えて席に戻るとき、私は今までで一番いい合唱だったとは思えませんでした。
他のクラスの生徒が「今までで一番良かったよね!」「今までで一番気持ち良かった」などと話しているのを聞きながら、これはもう賞はもらえないなと諦めていました。
だから、今までは賞がもらえますようにと固く手を組んでいた結果発表でも、私はどのクラスが銀賞で、どのクラスは金賞だろうと予想していました。
しかし、予想外にも銀賞で私達のクラスが呼ばれました。そのとき思わず「嘘でしょ?」と声を上げてしまいました。「信じられない」ではなく「ありえない」という意味でした。
最後の合唱祭で賞を取れたことを素直に喜ぶことができませんでした。
「諦めない心」をスローガンにしながら、他のクラスの合唱を聞いて一人で勝手に諦めてしまっていました。
翌日学校で改めて自分たちの合唱を聞いたときようやく「あ、うちのクラス上手いな」と思えました。ソプラノもアルトも人数が少ないけれどしっかり綺麗に聞こえていたし、バスも相変わらずかっこよかったし、そしてなによりテノールが綺麗すぎて感動しました。ちょっと涙でた。
後になってじわじわと嬉しさがこみ上げてきました。それと同時に、来年数人クラスから抜けてしまい、もう一緒に授業を受けられないことに寂しさを感じました。
私のクラスは特殊なクラスで他のクラスと教室のフロアが違うので、体育や部活以外でなかなか他のクラスと交流をもてないのです。ですから、同じ授業受けられないどころか会うことすら大変になります。
中学からの友人(所謂いつメン)も皆進路がバラバラになってしまったことでクラスもバラバラになってしまいました。教室のフロアが違うので一緒にお昼を食べるのも難しいし、一緒に帰るのも以前に比べると少し大変になりました。帰るのは待ち合わせ場所を決めたので解決しましたが、私がいつも待たせてしまっています。
あと何日、一緒にいられるのだろう。
あとどれくらい話すことができるだろう。
あと何回同じ授業を受けられるだろう。
彼ら自身が決めたことですから私には口出しする権利はありませんが、そう考え始めるとどうしても寂しくて涙が出そうになります。
もう残り少ない今年度を、大切に過ごしていきたいと思います。